駅のエレベーター設置率を鉄道会社ごとに比べる
公開日 ・鉄道のデータ
車いすを使う人、ベビーカーを押す人、大きな荷物を持つ人にとって、駅にエレベーターがあるかどうかは大きな違いです。では、全国の駅のうち、どれくらいの駅にエレベーターがあるのでしょうか。
国土交通省の鉄道統計年報(2023年度(令和5年度))には、事業者ごとに「駅の数」と「エレベーターを設置している駅の数」が載っています。この記事では、旅客を運ぶ 168 の事業者について、その割合を比べました。
全国では 3 駅に 1 駅
168 事業者の駅を合わせると 9,477 駅で、そのうちエレベーターのある駅は 3,468 駅(36.6%)でした。全国の駅のおよそ 3 つに 1 つです。
区分による大きな差
| 区分 | 事業者の数 | 駅の数 | エレベーターのある駅 | 割合 |
|---|---|---|---|---|
| JR | 6 | 4,378 | 1,282 | 29.3% |
| 大手民鉄 | 16 | 1,853 | 1,150 | 62.1% |
| 中小民鉄 | 135 | 2,654 | 619 | 23.3% |
| 公営 | 11 | 592 | 417 | 70.4% |
事業者の区分で比べると、差がはっきりします。地下鉄などを運営する公営の事業者と大手民鉄は、6〜7 割の駅にエレベーターがあります。一方、JR と中小民鉄は 2〜3 割にとどまります。
JR と中小民鉄は、地方の小さな駅を多く持っています。利用者の少ない駅や、ホームと駅前の間に段差がほとんどない地上の駅では、エレベーターを付ける必要性が低かったり、費用に見合わなかったりするためと考えられます。
エレベーターのある駅の割合が高い事業者
駅が 20 以上ある 79 事業者のうち、すべての駅にエレベーターがあるのは 8 事業者でした。
| 事業者 | 区分 | 駅の数 | エレベーターのある駅 | 割合 |
|---|---|---|---|---|
| 京都市 | 公営 | 31 | 31 | 100.0% |
| 仙台市 | 公営 | 30 | 30 | 100.0% |
| 名古屋市 | 公営 | 86 | 86 | 100.0% |
| 広島高速交通 | 中小民鉄 | 22 | 22 | 100.0% |
| 横浜市 | 公営 | 42 | 42 | 100.0% |
| 神戸市 | 公営 | 27 | 27 | 100.0% |
| 福岡市 | 公営 | 36 | 36 | 100.0% |
| 首都圏新都市鉄道 | 中小民鉄 | 20 | 20 | 100.0% |
| 大阪市高速電気軌道 | 中小民鉄 | 133 | 132 | 99.2% |
| 京王電鉄 | 大手民鉄 | 69 | 66 | 95.7% |
| 東京地下鉄 | 大手民鉄 | 180 | 169 | 93.9% |
| 相模鉄道 | 大手民鉄 | 29 | 27 | 93.1% |
| 阪神電気鉄道 | 大手民鉄 | 41 | 38 | 92.7% |
| 小田急電鉄 | 大手民鉄 | 70 | 64 | 91.4% |
| 新京成電鉄 | 中小民鉄 | 24 | 21 | 87.5% |
上位には、京都市・仙台市・名古屋市・横浜市・神戸市・福岡市の地下鉄と、大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)が並びます。地下や高架の駅は、ホームと地上の間に必ず高さの差があるため、エレベーターが欠かせません。比較的新しく作られた路線が多いことも、設置が進んでいる理由と考えられます。
割合が低い事業者
一方、駅が 20 以上あるのに、エレベーターのある駅が 1 つもない事業者が 19 ありました。
| 事業者 | 区分 | 駅の数 | エレベーターのある駅 | 割合 |
|---|---|---|---|---|
| とさでん交通 | 中小民鉄 | 76 | 0 | 0.0% |
| 万葉線 | 中小民鉄 | 25 | 0 | 0.0% |
| 上信電鉄 | 中小民鉄 | 21 | 0 | 0.0% |
| 上毛電気鉄道 | 中小民鉄 | 23 | 0 | 0.0% |
| 函館市 | 公営 | 26 | 0 | 0.0% |
| 北陸鉄道 | 中小民鉄 | 29 | 0 | 0.0% |
| 大井川鐵道 | 中小民鉄 | 34 | 0 | 0.0% |
| 天竜浜名湖鉄道 | 中小民鉄 | 39 | 0 | 0.0% |
| 島原鉄道 | 中小民鉄 | 24 | 0 | 0.0% |
| 平成筑豊鉄道 | 中小民鉄 | 36 | 0 | 0.0% |
| 広島電鉄 | 中小民鉄 | 82 | 0 | 0.0% |
| 弘南鉄道 | 中小民鉄 | 27 | 0 | 0.0% |
| 熊本市 | 公営 | 35 | 0 | 0.0% |
| 福井鉄道 | 中小民鉄 | 25 | 0 | 0.0% |
| 肥薩おれんじ鉄道 | 中小民鉄 | 28 | 0 | 0.0% |
ここには、とさでん交通・広島電鉄・函館市などの路面電車が多く入っています。路面電車の停留場は道路とほぼ同じ高さにあるため、エレベーターがなくても、段差の小さい車両や、ゆるやかな坂(スロープ)で乗り降りできるようにしている場合があります。
数字を読むときの注意
- 統計の「エレベーターを設置している駅」は、駅にエレベーターが 1 基以上ある駅の数です。すべてのホームに行けるかどうかまでは分かりません。
- エレベーターがなくても、スロープや段差のない構造で、車いすで利用できる駅もあります。この数字だけで、駅のバリアフリーの状態を判断することはできません。
- 駅の数は事業者ごとに数えているため、複数の事業者が乗り入れる駅は、それぞれの事業者で 1 駅として数えられています。
各事業者の駅設備(エレベーター・エスカレーター・自動改札など)は、Rail Density Explorer の各事業者のページで見られます。
出典
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