カオスゲームで図形が見えてくるまで、点は何個必要か
公開日 ・フラクタルと数学
カオスゲームは、いくつかの決まった変形(写像)の中から 1 つをでたらめに選び、点を動かして打つ、ということを繰り返すだけの方法です。それなのに、点を打ち続けると、シダの葉やシェルピンスキーのギャスケットのような整った図形が浮かび上がってきます。なぜ図形が現れるのかは「カオスゲームとは?」で説明しています。
では、図形がはっきり見えるまでには、点を何個打てばよいのでしょうか。IFS Fractal Studio のシミュレーターと同じプログラムで点を打ち、数えて確かめました。
調べ方
図形を 256×256 のマス目に区切ります。まず点を 400 万個打ち、点が入ったマスを「完成形」とします。ギャスケットでは 10,416 マス、シダでは 13,589 マスでした。
次に、点の数を変えて打ち直し、完成形のマスのうち何 % に点が入ったか(埋まり具合)を数えました。乱数を 5 通りに変えて試した平均です。
シダは、写像を選ぶ確率を 2 通り試しました。1 つはシミュレーターのプリセットと同じ確率(茎・全体・2 つの葉の順に 1%・85%・7%・7%)で、もう 1 つは 4 つの写像をすべて同じ確率(各 25%)にしたものです。
結果
| 点の数 | シェルピンスキーのギャスケット | バーンズリーのシダ(確率 1%・85%・7%・7%) | バーンズリーのシダ(確率を同じにした場合) |
|---|---|---|---|
| 100 点 | 1.0% | 0.7% | 0.5% |
| 1,000 点 | 9.0% | 6.5% | 2.2% |
| 10,000 点 | 57.1% | 39.8% | 6.5% |
| 100,000 点 | 95.0% | 91.2% | 14.3% |
| 1,000,000 点 | 99.3% | 99.5% | 25.9% |
ギャスケットは、1,000 点では 9.0% しか埋まりませんが、1 万点で 57.1%、10 万点で 95.0% になりました。細かい穴まで埋まるには 10 万点ほど必要です。
シダ(プリセットの確率)も同じような進み方で、1 万点で 39.8%、10 万点で 91.2%、100 万点で 99.5% でした。

確率を同じにすると、なかなか埋まらない
4 つの写像を同じ確率にすると、結果は大きく変わりました。10 万点でも 14.3%、100 万点打っても 25.9% しか埋まりません。

できあがる図形の形は、確率を変えても同じです。変わるのは、点がどこに多く集まるかです。シダでは、シダ全体を少しだけ縮める写像が、上の方の細かい葉を作る役目をしています。この写像を選ぶ確率が 25% に下がると、点は茎や根元の近くに集まり、上の方の葉にはほとんど届かなくなります。
プリセットで、この写像の確率を 85% と大きくしているのはこのためです。確率は、写像が図形の面積を何倍にするかに比例させるのが目安とされています。決め方は「カオスゲームとは?」の「確率 p の決め方」で説明しています。
分かったこと
- 1 万点では図形の 4〜6 割ほどしか埋まらず、細かいところまで埋めるには 10 万点ほど必要だった。
- 写像を選ぶ確率の決め方しだいで、同じ点の数でも埋まり具合が何倍も違う。確率をうまく決めないと、100 万点打っても図形の一部しか描かれない。
IFS Fractal Studio のシミュレーターでは、点の数や確率を変えて、図形が浮かび上がる様子を自分で確かめられます。プリセットのバーンズリーのシダやシェルピンスキーのギャスケットから試してみてください。
出典
- IFS Fractal Studio「カオスゲームとは?ランダムなのに図形ができる理由」
- IFS Fractal Studio「バーンズリーのシダ(Barnsley Fern)とは?作り方・次元・変換式」
- IFS Fractal Studio「シェルピンスキーのギャスケット(Sierpinski Gasket)とは?作り方・次元・変換式」
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