シャッター速度で、動くものはどれだけブレて写るか

動画をコマ送りして 1 コマを静止画として取り出すと、動いている人や車が流れたようにブレて写っていることがあります。これは、1 コマを撮るあいだシャッターが開いていて、その間にも被写体が動いているためです。

シャッターが開いている時間をシャッター速度といいます。シャッター速度によって、ブレはどれくらい変わるのでしょうか。

ブレの長さの計算

ブレの長さは「被写体の速さ × シャッターが開いている時間」です。たとえば時速 60 km の車は、1/30 秒のあいだに 56 cm 進みます。シャッターがこの間ずっと開いていれば、車は 56 cm 分流れて写ります。

画面の中で何画素ブレるかは、その距離で写る範囲の広さで決まります。この記事では、スマートフォンの標準のカメラ(35mm判換算 24mm)で 4K 動画を撮り、10 m 先を横切るものを写すとして計算しました。このとき、10 m 先で写る横幅は約 14.4 m です(FOV Studio と同じ計算)。

シャッター速度ごとのブレ

シャッター速度と、10 m 先を横切るもののブレ(4K 動画・横 3,840 画素、35mm判換算 24mm。ブレの実際の長さ(画面の中の画素数)
シャッター速度歩く人(時速 4 km)自転車(時速 15 km)車(時速 60 km)
1/30 秒3.7 cm(9.9 画素)14 cm(37 画素)56 cm(148 画素)
1/60 秒1.9 cm(4.9 画素)6.9 cm(18 画素)28 cm(74 画素)
1/125 秒8.9 mm(2.4 画素)3.3 cm(8.9 画素)13 cm(36 画素)
1/250 秒4.4 mm(1.2 画素)1.7 cm(4.4 画素)6.7 cm(18 画素)
1/500 秒2.2 mm(0.6 画素)8.3 mm(2.2 画素)3.3 cm(8.9 画素)
1/1000 秒1.1 mm(0.3 画素)4.2 mm(1.1 画素)1.7 cm(4.4 画素)
1/4000 秒0.3 mm(0.1 画素)1.0 mm(0.3 画素)4.2 mm(1.1 画素)

時速 60 km の車は、1/30 秒では約 148 画素、1/60 秒でも約 74 画素ブレます。ナンバープレートの文字のような細かいものは、とても読めない大きさです。1/1000 秒なら約 4.4 画素で、ほとんど止まって写ります。

歩く人なら、1/60 秒で約 4.9 画素で、ブレはあまり目立ちません。

動画のシャッター速度は、1 コマの長さより短い

動画では、1 コマの長さ(30 fps なら 1/30 秒)より長くシャッターを開けることはできません。実際のシャッター速度は、明るさに合わせてカメラが自動で決めることが多く、次のような傾向があります。

  • 明るい屋外:シャッター速度が速くなり、1 コマ 1 コマはくっきり写る。そのかわり、続けて再生したときに動きがカクカクして見えることがある。
  • 暗い室内や夜:光を集めるためにシャッター速度が遅くなり、1 コマの長さに近づく。動くものはブレて写る。

夜に撮った動画で動くものの細かいところが読み取りにくいのは、暗さのほかに、このブレも理由の 1 つになります。

ブレを抑えて撮るには

  • 明るい場所で撮る:カメラが自動でシャッター速度を速くします。
  • シャッター速度を指定する:スマートフォンの「プロ」などの撮影モードや、カメラの設定でシャッター速度を決められる場合は、速く(1/500 秒など)します。そのぶん写真は暗くなるので、明るさ(ISO 感度)とのかね合いになります。
  • フレームレートを上げる:60 fps や 120 fps にすると、1 コマの長さが短くなるので、シャッター速度の上限も速くなります。
  • 被写体の動く方向を考える:カメラに向かってくる動きは、横切る動きより画面の中で動く距離が小さいので、ブレが小さくなります。

スポーツのフォームを確かめるときは、ブレの少ない動画のほうが、インパクトやリリースの瞬間を見分けやすくなります。1 コマの間にどれだけ進むかは「動画の 1 コマの間に、ものはどれだけ進むか」で計算しています。動画から 1 コマを取り出す方法は Video Inspector Pro の「動画から静止画を切り出す方法」で説明しています。

出典

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