スマホの超広角と自撮りで、どれだけの範囲が写るか

最近のスマートフォンには、標準のカメラ(「1 倍」)のほかに、より広い範囲を写せる超広角のカメラ(「0.5 倍」など)がついていることが多くなりました。狭い部屋の中や、大人数での自撮りで便利なカメラです。

では、超広角にすると、どのくらい広く写るのでしょうか。FOV Studio と同じ計算で、具体的な距離で比べてみました。焦点距離は 35mm判換算の値で、超広角は換算 13mm と 16mm、標準は換算 24mm を例にしています(実際の値は機種によって違います)。

画角の違い

35mm判換算の焦点距離と画角(4:3 の写真、横長に構えたとき)
レンズ横の画角縦の画角
超広角(換算 13mm)106°90°
超広角(換算 16mm)94°78°
広角(換算 24mm)72°57°
換算 28mm63°50°

横の画角は、換算 24mm の 72 度に対して、換算 16mm で 94 度、換算 13mm では 106 度です。換算 13mm では、前方の半分以上をまとめて写せることになります。

部屋の中で、どれだけ写るか

横長に構えたとき、写る範囲の横幅(4:3 の写真)
レンズ2 m 先3 m 先3.4 m 先
超広角(換算 13mm)5.3 m8.0 m9.1 m
超広角(換算 16mm)4.3 m6.5 m7.4 m
広角(換算 24mm)2.9 m4.3 m4.9 m
換算 28mm2.5 m3.7 m4.2 m

例として、6 畳ほどの部屋(2.7 m × 3.6 m)を考えます。

奥の壁(幅 2.7 m)を、横いっぱいに入れて撮るには、換算 24mm では壁から約 1.9 m 離れる必要があります。換算 16mm なら約 1.2 m、換算 13mm なら約 1.0 m で入ります。

部屋の反対側の壁ぎわ(奥の壁から約 3.4 m)から撮ると、換算 24mm でも横に約 4.9 m 写り、奥の壁は全部入ります。換算 13mm では約 9.1 m 分の幅が写るので、奥の壁に加えて左右の壁や床・天井も大きく入り、部屋全体の様子が 1 枚で分かる写真になります。

自撮りで、どれだけ写るか

縦長に構えて自撮りしたとき、顔の位置で写る範囲の横幅(4:3 の写真)
レンズ0.4 m 先0.5 m 先1 m 先
超広角(換算 13mm)80 cm100 cm200 cm
超広角(換算 16mm)65 cm81 cm162 cm
広角(換算 24mm)43 cm54 cm108 cm
換算 28mm37 cm46 cm93 cm

自撮りは、スマートフォンを縦長に持つことが多いので、写真の横幅は短い方の辺になります。腕を伸ばして顔から 0.5 m ほどの所で構えたとすると、顔の位置で写る横幅は、換算 24mm では約 0.54 m、換算 16mm では約 0.81 m です。

換算 24mm で横幅 1 m を超えるには、自撮り棒などで 1 m ほど離す必要があります(約 1.08 m)。大人数で撮るときに、超広角や自撮り棒が役に立つのはこのためです。

なお、スマートフォンの前面カメラの焦点距離は機種によって違います。手元の機種の値が分かれば、FOV Studio で同じように計算できます。

画面の端では、顔が引き伸ばされる

超広角で撮った集合写真では、端にいる人の顔が横に広がって写ることがあります。これはレンズの故障ではなく、広い範囲を平らな写真に写すときに必ず起こる性質です。

ゆがみを補正した、ふつうの写真のレンズでは、画面の中心から角度 θ の方向にある丸いものは、中心から外へ向かう方向に、それと直角の方向の「1 ÷ cos θ」倍に引き伸ばされて写ります。写真の左右の端(横の画角の半分の角度)で計算すると、次のとおりです。

レンズ 左右の端での引き伸ばし
広角(換算 24mm) 約 1.2 倍
超広角(換算 16mm) 約 1.5 倍
超広角(換算 13mm) 約 1.7 倍

換算 13mm では、端にいる人の丸い顔が、横に約 1.7 倍の楕円になって写る計算です。集合写真では、大事な人をなるべく画面の中央に寄せる、少し離れて換算 24mm で撮る、といった工夫で目立ちにくくなります。スマートフォンの中には、この引き伸ばしを画像処理で目立たなくする機能を持つものもあります。

自分のスマホで計算するには

FOV Studio に、センサーの大きさと焦点距離(または 35mm判換算の焦点距離から求めた実際の焦点距離)、撮る距離を入れると、写る範囲の幅と高さを計算できます。換算の考え方は「35mm判換算とクロップ係数の仕組み」、画角の計算式は「画角とは?」で説明しています。

出典

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